毎度!
この年になって自分探しの旅に出てしまいそうなかっつんです。いくつになっても心は少年とか言ってるうちに40代になってしまいました。
そんなことはどうでもいいんです。
最近、読んだ本がめちゃくちゃ良くって分かち合いたいと思ったので書いていきます。
たぶん、女性の方が共感できることが多いと思います。
めちゃくちゃ内容が良かった本のタイトルは「ミステリという勿かれ」です。
マンガかよ!?って思うかもしれませんが、漫画を舐めてはいけないと再認識したさくひんでもあります。
少し前まで、菅田将暉さんが主演でドラマもしてましたよね。
この作品の主人公が久能 整(くのう ととのう)君という天然パーマの大学生です。天パの域を超えている鳥の巣のような髪型をしていますが、物語と何も関係ありません。
この整くんが発する言葉にドキりとさせられちゃうんです。
はっとさせられたり、思わず考えさせられたりするような言葉がたくさん出てきます。
ネットで検索すると「ミステリという勿かれ」名言集のようなものまであります。
全部読んだわけではないので、整くんの考え方の一部にしか触れていませんが、僕に新しいモノの見方を教えてくれました。
漫画から学べることもたくさんあるんです。
僕は衝撃を受けた整くんの言葉を今回は分かち合いたい!というか知って欲しいと思います。
マンガやドラマを見た人は、この言葉をどのように感じていたのか教えてもらえると嬉しいです。
それではいきます。
単行本の1巻に、若い男性刑事が「俺はゴミ捨てをとかはしている。身重の奥さんも少しは家事を手伝っているって感謝してくれてもいいのに」と愚痴をこぼすシーンがあります。
同じような愚痴をこぼした経験のある男性は多いんじゃないですか?
僕はあります。手伝ってんのに何も感謝されないとイライラしていました。
「分かるぞー」と刑事に共感していたら、イライラすることがそもそもの間違いだと整くんに気付かされました。
「ごみ捨てはどこからしているのか」
こう整くんは聞いてきます。あなたはどう答えますか?
若い刑事は答えます。「部屋からゴミ捨て場までですが…」
うんうん。そうやんね。部屋からゴミ捨て場までやけど何か?と僕も読みながら刑事に同意してました。
整くんが、また尋ねます。「あなたの家にゴミ箱はいくつありますか?」
ゴミ箱の数?そんなん知ってどうすんねん???そう思う僕をよそに整くんは話を続けます。
「家中のゴミ箱を集めて、分別が出来ていなければ分別し、新しいゴミ袋をかけ、生ごみは水切りをし、さらに排水溝の掃除もする。こうやって集めたゴミを全部まとめてくれたのは奥さんです」
言われてみればそうですね…。しかも、奥さんは身重なので身体がしんどい状態です。
一番しんどいところを奥さんがやっているのに、まとめられたゴミ捨てにいくだけのこの若い刑事に奥さんが感謝するのは難しいかもしれないと言うのです。
これ、分かります?
刑事(男性)は手伝ってはいるんですけど、ゴミ捨ての一番楽なところをやっていただけなんです。
奥さんが大変なところをやってくれていることには感謝をしないどころか気付いてもいないくせに、楽なところをやった自分のことは認めて欲しいって…。
子どもか!!おいでやす小田さんなら、そう大声で突っ込んでいることでしょう。
確かに、楽なところだけをやって手伝ってる感を出されるとイラっとしますよね…。
世のお父さん、どうですか耳が痛くなってきませんか?
言われないと分からないし、そんな視点もなかったです。
しかし、これまだ序の口です。この後、もの凄いのが待ってました。
後日、ゴミ捨てでやり込められた若い刑事が整くんの家を相談に訪れます。
奥さんが無事に出産したんだけど、子どもが生まれてから変わってしまった。毎日ピリピリして、全然相手にしてくれない。育児も手伝ってるのに…と愚痴を言います。
おい、愚痴ばっかやな!と思ってしまいますが、同じような愚痴を言っているあるいは言ったことのある旦那さんの方が多いんじゃないでしょうか?
そんな、新米パパの刑事に整くんは何と答えるのでしょう。
お父さん、いいですか?ここからが大事なところですよ!
「メジャーリーグでは、メジャーリーガーや監督が時々、試合を休むんです」
そう語り始める整くん。え?何でメジャーリーグの話なん?頭がクエスチョンで僕はいっぱいになってました。
メジャーリーガーや監督が仕事(試合)を休む理由って何なのか。理由が気になり、読み進めます。
「奥さんの出産はもちろん、お子さんの入学式や卒業式、家族のイベントで休むんです」
へぇ…。若い新米パパの刑事と同じ言葉がでて一人で笑っちゃいました。
アメリカでは家族の行事で休むん?仕事があるのに?保育園とか小学校の入学式なら分かるけど…。
「アメリカはそういう文化なんかな」そんなモヤモヤした言葉で片付けそうになっていたら整くんがまた言うんです。
「彼らは立ち合いたいんです。一生に一度の子どもの成長の記念日に。
行かずにいられるかって感じで、行きたくて行くんです」
ガツーンと頭を殴られたような衝撃です。更に続きがあります。
「その試合を中継している日本側のアナウンサーや解説者がそれ(家族の行事で試合を休むこと)についてなんて言うかというと『奥さんが怖いんでしょうねぇ…』
彼らにはメジャーリーガーが行きたくて行っていることが理解できない。なぜなら、自分ではそう思ったことがないからムリヤリ行かされていると考える。大切な仕事を休んでまでと」
本当におっしゃる通りです。一生に一度の子どもの成長の記念日…。言われてハッとするなんてダメダメです。
そりゃ、行けるもんなら行きたいよ!!でも、家族を養うためには仕事をしないといけない。だから簡単に休めへん、男は辛いんや…。
そんな風に思っているお父さんがいるなら続きを読んでください。
整くんが止めを刺してくれます。
「メジャーリーガーは子どもの成長に立ち会うことを父親の権利だと思い、日本側の解説者たちは義務だと思ってる。そこには天と地ほどの差があるんですよ」
あなたにとって、子どもの成長に立ち会う行為はどちらでしょうか。
刑事さんはお子さんを奥さんの付属物だと考えてないですか?と問いかける整くん。
「だから“参加する”とか“手伝う”なんて言葉が出るんじゃないですか。子どもを産んだら女性は変わると言いましたね。
当たり前です。ちょっと目を離したら死んでしまう生きものを育てるんです。
問題なのは、あなたが一緒に変っていないことです」
この言葉どうでしょうか。僕は振り返ってみると、思い当たることしかなかったです。“手伝う”ってめっちゃ言ってました…。
育児は手伝うモノじゃないんですよね。だって自分の子どもなんですから。
女性は自分の身体から出てくるから親になったという実感が早い段階で持てるんじゃないでしょうか。自然分娩だと産みの苦しみもあるでしょうし。
一方で、父親は実感を持つのが乏しいような気がします。そりゃ、我が子なんで可愛いと思っています。ただ、親になった実感を本当の意味で持てていないんだと思います。
だから、手伝っているとか協力しているという第三者のような言い方になるんじゃないでしょうか。
だからこそ、本当の意味で父親になれるように奥さんのように変わっていく必要があるわけです。
男性も変わる必要があるのに変われていないから、奥さんは不満を感じるわけです。
それなのに、変われていないことを棚に上げて愚痴を言ったり不満を感じたりするのは余りにも幼稚な行為やったんやと初めて知りました。恥ずかしい…。
最後に整くんはこう言いました。
「強制されることではないので、刑事さんの好きにしたらいいと思います。
したこともしなかったことも、いずれ自分に還ってくるだけなので」
恐ろしいことに、自分に還ってくるんですって。
正直、この話をもっと早くに知りたかったというのが本音です。あなたが新米パパなら、超ラッキーですよ!
子育てや夫婦関係を上手くやるための秘訣を知れたわけですから。
最後までお読み下さりありがとうございます。今日も応援しています。