まいど!
この時期は、毎年夏バテで体重を減らしてしまうかっつんです。
元々大食いではないのに暑いと更に食欲がなくなるんですよね。困ったものです。
ヒドイと1か月くらいで6キロくらい落ちてしまいます。ダイエットとか何もしていないのに……。
先日、お客さんに呼ばれて訪問したときの話。
7/19は各地で大雨が降りましたよね。京都でも雨が結構降りました。
「大雨の影響だと思うけど、家の内壁に水が溜まって膨らんでいるから見に来て欲しい」という依頼がありました。
見に行くと確かに壁の内側に水が入って脹れていたんだろうなという跡がありました。
念のために外壁にひび割れ等の損傷がないかを確認しましたが、目視ではひび等はないようでした。
お客さんは保険を使う気マンマンなので、「どう?これって火災保険使えるやんね?」と聞いてきます。
今回のケースでの僕の答えは……「分かりません」でした。
保険屋やのに分からんの?そう思うかもしれませんが、分からないものは分かりません。
保険は使えないだろうと言うのが本音ですが、断定できない以上は分かりませんとしか答えられないんです。
今回のような建物の損害は、保険で対応できるとしたら火災保険です。しかし、火災保険にも支払うためには条件があります。
まず、一番大事なことは原因は何かを特定することです。
火災保険は、加入する時に火事・落雷、台風、水災、盗難など何が原因で家や家財に損害が出たらお金を受け取れるようにしたいかを選びます。
つまり、火災保険は損害が起こった原因によって支払えるかどうかが決まります。その補償を付けていればですが……。
そして、絶対に支払えないことの代表が経年劣化です。時間が経つと古くなって傷んできますよね。
だから、お家には定期的な修繕が必要です。火災保険は修繕保険ではないので、古くなったから壊れたや不具合が出たという理由では支払いが出来ません。
そこは自分で直して下さいという事です。
自動車に車両保険を付けていたとしても、故障では使えないのと同じ理屈だと個人的には解釈しています。
今回のお客さんのケースだと、水が溜まって膨らんでいたのがエアコンの下の部分の壁でした。
可能性として大きいのは、外壁に隙間が出来ていてそこから雨水が吹き込んできた。もしくは、エアコンから水が漏れており壁の内側に溜まってしまった。
このどちらかではないかと僕は考えました。
そして、このどちらの場合でも原因のほとんどは経年劣化です。そうなると火災保険では支払いの対象ではありません。
もちろん、この事はお伝えしました。
そのうえで、分からないとお答えしたのは台風で外壁に被害が出ていた可能性を否定できないからです。
保険のことはプロなのである程度は分かります。しかし、家の事になると素人なので分かりません。
だから、業者さんに見積もりを頼んで、まずは原因を特定して欲しいといいました。
原因が分かり、保険を使えるのであれば支払いのお手伝いが出来ます。
経年劣化だから保険は使えませんと言うのは簡単です。しかし、支払える可能性があるのであれば調べましょうよと思うのです。
だから、保険が使えるかどうかは今の段階では分かりません。原因によって保険が使えるかどうかが決まるからとお伝えしたのです。
保険屋は支払いとなると出し渋ると世間では思われているのかもしれませんが実際は違います。
支払えるモノは支払いたいのです。
ただ、支払いのルールを無視して受け取ろうとする人たちもいるので厳しくなってきている部分は確かにあります。
コロナの支援金や給付金を騙し取っていた人たちがニュースになっていますが、保険でも同じような事をする人がいます。
こちらはニュースにはならないだけ……。
ですから、正直に請求したモノはきちんと払われている実感を僕は持っています。
だからこそ、お客さんが「じゃあ、経年劣化やって言われても台風でってことにしたら保険使えるの?」って聞いてきた時にはビックリしました。
それは保険金詐欺ですよ……。
今、問題になっている保険金代理請求業者がやっている手口と同じです。
代理請求業者は、築○○年のお家であれば、火災保険を使って修繕が出来ますと甘い言葉で勧誘してくるようです。
経年劣化でも台風などの自然災害が原因ということにして不正請求をするわけです。
そして、その修理工事は代理請求業者のグループ企業や提携業者に発注して利益を得ます。
中には、指定業者に修理を依頼しなければ受け取った保険金の40%を違約金として払わないといけないだとか、成功報酬として保険金が支払われた時点で40%を支払うなんてこともあるようです。
ほんとうに悪質です。
保険に入っているんだから、何か損害が起きた時には使いたい。そんなお客さんの気持ちも分かります。
でも、保険も万能ではありません。なんでもかんでも払うようにしたら、その分掛け金が上がるということも理解して欲しい。
掛け金が安くて、なんでも支払う保険なんてモノはこの世にありません。
だって、保険会社もビジネスをしているわけですから。
だからこそ、支払えるモノ支払えないモノを明確に分けているんです。
他の人たちも同じ条件で掛け金を払っているわけです。
同じように他の人の家の内壁に水が溜まったとしても、経年劣化が原因であれば保険金は支払われません。
自分だけが受け取れたらいいという発想は捨ててもらいたい。
そう強く感じた出来事でした。
でも、人間の本質だとも思うんですよね。自分が一番大事って。
それなのに保険のことになると自分を後回しにするのはどういうことなんでしょうね。
自分は病気はしないとか、病気になっても必要最低限でいいとか。
自動車保険でも、対人対物は無制限なのに自分側の補償である人身傷害は3000万円でいいとか。
見ず知らずの他人には迷惑かけられないけど、自分は我慢すればいいとか言う人、結構います。
他人に迷惑を掛けたくないのは立派ですが、自分よりも他人を大事にすることって本当にあるんでしょうか?
少なくても僕は自分や自分の周りの家族や友人達の方がよっぽど大切です。
なにが言いたいかと言うと、人間の本質は自分が一番大切だという事。
そして、保険の本質は相互扶助(みんなで助け合い)と平等に出来ている仕組みだってことです。
今回も最後までお読み下さりありがとうございます。今日も応援しています。