毎度!
京都市内、特に上・中・下京区の駐車場代って高いなーって感じるかっつんです。
20分300円とかですからね。1時間でほぼ1000円です。東京はもっと高いんだとすると恐ろしい…。
今回はことばの力と題して、一つの逸話を共有したい思います。
「旅人」の話をあなたはご存じですか?
ある町の入り口に一人の旅人が立っていました。長旅からの疲れか頬は削げ落ち、全身はホコリにまみれていた。
その町の入り口は、太い2本の丸太が門を表すように地面に突き刺してあり、町の名前を書いたプレートが無造作に釘で打ち付けられていた。
旅人は背負っていた大きなバックパックを足元に置いた。バックから擦り切れた地図を取り出すと、汚れた指先で来た道をたどってみる。
「どこから来たのかね?」
突然、しわがれた老人の声が旅人の耳に届いた。
驚いた旅人が、声のするほうに目を向けると、いつからそこにいたのか丸太で作られた門の日陰に杖を抱えるようにして一人の老人が座っていた。
旅人は警戒心を全身に溢れさせながら、足元のバックパックをそっと引き寄せた。
「じいさんは、この町の人か?」
旅人は老人との距離を取りながら問いかけた。
「生まれた時から、わしはこの町に住んどるよ」
「ふーん。ここはどんな町だい?いい町かな?」
旅人の問いに、老人は逆に聞き返した。
「あんたが今までいた町はどんな町じゃった?」
「実は、昨日までいた町は最低だった。人は冷たいし、よそ者を受け入れようとしない。陰気で嫌な町だった…」
「ほう…。そうかい」
老人は、旅人の言葉を聞くと杖を握りなおし、ある方向を示した。それは、町の入り口ではなく反対の方角を示していた。
「この町も同じさ。良いことなんかきっとない。貧しくて、物騒で、優しさの欠片もない町じゃ。立ち止まるのはやめて次を目指した方がよいぞ」
老人の言葉に旅人はがっくりと肩を落とした。
ここも同じか…。そう心の中でつぶやき、重いバックパックを背負いなおすと老人に挨拶もせず再び歩き始めた。
二度と旅人は老人と町を振り返らなかった。
しばらくして、そこに別の旅人がやってきた。
その旅人は門の陰に座っている老人を見つけると、楽し気に自分から話しかけてきた。
「こんにちは。おじいちゃんは、この町の人ですか?」
笑顔で挨拶をするその旅人の姿を老人はジーッと見つめた。長旅からか衣服は汚れ、顔は垢で黒ずんでいる。
しかし、その汚れた顔の奥からイキイキとあふれ出す笑顔に、老人は思わず微笑み返していた。
「生まれた時から、わしはこの町に住んでいるよ」
「本当!?それは素晴らしい。もしよかったら、一晩僕を止めてくれるところを知りませんか?」
「うーん…」少し悩んで老人は旅人に問いかけた。
「ところで、あんたはどこから来たのかね?」
到着したばかりの旅人は、先ほどここを去っていった別の旅人と同じ町の名前を口にした。そして、楽し気にその町のことを老人に話だした。
「素晴らしいところでしたよ!優しさに溢れ、旅人の僕を町の人みんなが歓迎してくれました。宿も食事も用意してくれました」
「それに見てください!!出発する朝、こんなにたくさんの食べ物を分けてくれたんですよ!」
旅人は食べ物でパンパンに膨れたバックパックを老人に見せた。老人はニコニコしながら旅人の話を聞いていた。
「ここも、そこと同じくらい素晴らしい町じゃよ。どれ、ワシが一緒に案内してやろうじゃないか」
そう言うと、老人は杖を頼りに立ち上がり、旅人と肩並べて町の中へと入っていった。
この話をあなたはどのように感じましたか?
老人は2人の旅人に対して全く正反対のことを言っています。
果たして、老人は嘘つきなんでしょうか?
旅人が感じた町の感想も極端ですよね。どちらかの旅人が嘘をついていたんでしょうか?
よければ、あなたの考えを教えて下さい。
同じところにいたのに、一人は嫌な町だと感じ、一人は素晴らしい町だと感じた。この違いは何でしょうか?
「心の在り方」が大事だということを、この話は教えてくれていると僕は思います。
普段、考えている事が言葉になるなら、考え方や心を磨かないといけませんよね。僕もまだまだなので日々成長です。
今回も最後までお読みくださりありがとうございます。