行動には理由がある!


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毎度!

寒い季節になるとコタツで寝てしまい風邪をひいてしまうかっつんです。

寝たらあかんあかんとは思っているんですが、気持ちよくて寝ちゃうんですよね…。

コタツを作った人は天才やと思います。

さて、今回は最近読んでめちゃくちゃ面白かった本を紹介したいと思います。

紹介する本はこちら。

橘玲さん著作の「亜玖夢博士の経済入門」です。

えー?経済の本?難しい話は苦手…。

そんな風に感じたあなた!

この本は一味違います。本のタイトルが経済入門だけに、経済学(行動経済学など)の話はもちろん出てきます。

しかし、小説のようにストーリー形式になっているので読みやすいんです。

心理学なども出てくるので、読んでいるウチにどんどんハマっていきます。

メンタル的にしんどくなる章もありますが、マンガの「闇金ウシジマくん」や「ナニワ金融道」が好きな人ならハマるんじゃないかなと思います。

各章ごとにタイトルに合わせたストーリーが展開されるんですが、僕が特に面白いと感じたのが第4講の「社会心理学」です。

この話の主役になるのは、満留知 羽丸(まるち はまる)。このネーミングだけで、なんとなく分かりますよね(笑)

そうマルチ商法についての話です。

ここで出てくる行動心理学的な手法は知っておいて損はないと思います。自分が騙されないためにも!!

目次

マルチとねずみ講って何が違うの?

本題に入る前に基本的なことをお伝えします。

あなたもマルチ商法(ネットワークビジネス)やねずみ講って聞いたことがあると思いますが、両者の違いはご存じですか?

どっちも胡散臭いし、詐欺なんでしょ?

そんな風に思っている方も多いかもしれません。その意見もあながち間違いではないと個人的には思います。

しかし、「マルチ」と「ねずみ講」は別物なのです。

大きな違いは「ねずみ講」は「無限連鎖講」と呼ばれ違法(犯罪)です。

一方で「マルチ商法」は「連鎖販売取引」と呼ばれ合法なので犯罪にはなりません。グレーですが国も認めているわけです。

両者が混同されるのは、ビジネスの仕組みが全く一緒だからです。

ビジネスモデルを簡単に言うと、組織がネズミ算的に拡大していくシステムで、上の階層が下の階層の儲け(お金)を吸い上げる仕組みになっています。

このお金を吸い上げる仕組みの部分で、両者を違法と合法に分ける決定的な違いがあるのです。

どういうことかと言うと、「ねずみ講」は「会員になって新しい会員を紹介(登録)すれば紹介料がもらえる」という仕組みです。

自分が紹介した人が、さらに人を紹介すると自分は何もしていなくても紹介料が入る。自分の下に人が増えていくと紹介料がどんどん入ってくるという夢のような仕組みになっています。

つまり金品の受け渡しだけが目的なんです。

「マルチ商法」はここが違います。仕組みは同じなんですが、「実態のある商品の販売」が目的となっています。

つまり、会員になるためにお金を払うのではなく、商品を販売する権利を取るためにお金を払うのです。

フランチャイズに近いイメージですね。

ですから、マルチ商法をやっている人の中には商品の魅力に惚れ込んで、世の中に広めたいと本気で考えている人も中にはいます。

有名なところでは「ア〇ウェイ」とかがそうですよね。

マルチ商法とねずみ講を分ける一番のポイントは「実態のある物を取引」してお金を受け取る仕組みかどうかという点です。

どちらにせよ、人を紹介できなければ大損してしまうビジネスモデルです。

だから世間のイメージも評判もめちゃくちゃ悪いですよね。

主人公はカリスマ

いよいよ本題です。

先ほど述べたようにマルチ商法は成功する確率よりも失敗する確率の方がはるかに高いビジネスです。ビジネスモデル自体が違法ギリギリですからね。

しかし、満留知 羽丸は大成功しています。

売っている商品は、アメリカに本社があるSBW社の「ミラクルSBW」。

普通の水道水を「スーパー・バイオニック・ウォーター」という病気をなんでも治す奇跡の水に変えるパワーを持つ、いわゆる浄水器です。

この浄水器(ミラクルSBW)の価格が、なんと一台100万円!!

誰が買うねん!?と思ってしまいそうですが、彼は売りまくります。

そして、わずか5年で100名の部下を束ねる日本最大の代理店になっています。部下や他の代理店に販売に関するセミナーを行うなど、まさにカリスマです。

そんな彼が、自分が手塩に掛けて育てた部下たちが消息を絶っていると噂のビルに向かい出会ったのが亜玖夢博士でした。

そこで、亜玖夢博士にあの手この手で売り込もうとするんですが、彼のトークテクニックがとにかく凄い!!

使い方を間違っていなければ、めちゃくちゃ優秀なセールスマンになっていたはずです。

彼のテクニックを一つだけご紹介します。

コールド・リーディング

コールド・リーディングとは話術や観察法のひとつで、外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「私はあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術だそうです。

要は、事前の情報や下調べなしに、あたかも相手の心を読んだかのように見せるテクニックがコールド・リーディングです。

事前に相手のことを調べておいて、心を読んだように見せる技術は「ホット・リーディング」と呼ばれています。営業でも使われる手法ですね。

コールド・リーディングは、占い師、霊能力者、カウンセラー、詐欺師も使っている心理技術です。

初対面なのに自分の気持ちが見透かされているように当てられる。

「この人凄い!!わたしの事を何でも分かってくれてる!!」と思わず感じる人がいたら、実はこの技術を使っているのかもしれません。

コールド・リーディングのポイントは当たっても外れてもいい質問をすることです。否定疑問文と呼ばれる聞き方です。

例えば「頭痛などはお持ちではないですか」このように質問されたら、あなたはどう感じどのように答えますか?

このような質問は、相手が肯定しても否定しても間違いにはなりません。

「夜、眠れないということはありませんか」なんかもそうです。

相手が肯定すれば「やっぱり!!」と言えばいいですし、相手が否定すれば「そうですか」と頷くだけでOKです。

当たったことだけ記憶に残るようにしておけばいいのです。このようにして相手の情報を集めていきます。

このようにして、わたしの事をこの人は何でも知っていると信用させていくわけです。

あなたが体調に不安を抱えていた場合、信用している人から「胃のあたりに問題がありそうです。ガンの疑いも捨てきれません」なんて言われたらどうでしょう。

めちゃくちゃビビりますよね。僕なら、お〇っこチビるくらいビビると思います。

でも、これも典型的なコールド・リーディングの手法。

範囲を広げることで当たる確率を高くしていることに気づいたでしょうか?

「胃のあたり」と言うと、肝臓や膵臓など含め内臓がほぼ該当してしまいます。

「ガンの疑いも捨てきれません」という言い方もそうです。

がん検診を毎年受けていたのに、ガンの発見が遅れた北斗晶(ほくと あきら)さんが良い例のように、がんの早期発見が完璧でない以上、どれほどわずかでも「疑い」は残ります。

このような人の心を操るようなテクニックが、マルチ商法でも使われているのが恐ろしい…。

勧誘にこんな技術を使い、マルチで儲けている人って本当はもの凄く優秀な人なのかもしれません。

他にもテクニックが出てきますが、知らなかったら信用して騙されてしまうくらいの巧みさです。

ぜひ、読んでみて自分なら騙されないかどうかを確認して欲しいなと思います。

人の心を操る技術があるのなら、操られないためには操る技術に対する知識が必要です。少なからず、今でもマルチにハマっている人がいるとも聞きます。

人は、心が動くから行動する。まず動くのは心からなんです。あなたの心を動かす話が、この本の中に眠っているかもしれません。

あとは、ご自身の目で判断下さい。

今回も最後までお読み下さりありがとうございます。今日も応援しています。


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